広告代理店

【実体験】CM?テレビ?元広告代理店社員が教える広告代理店の仕事内容とは?

スタジオの写真

広告代理店って何してんだろ?

こんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?

大物アイドルや俳優と仕事をしたり、有名なテレビ番組に携わったりするイメージがあるかと思いますが、

実際に働いた私がそんな包み隠さず実態をお話しいたします。

目次

必要ない仕事?広告代理店の基本的な仕事内容

 

会議

広告代理店のは無くても良い仕事

簡単に説明をすると、広告代理店とは広告を出したいお客様が窓口を一本化するために存在している会社です。

広告を出す場合、広告を作る制作会社、テレビを放送するテレビ会社、紙媒体を印刷する印刷会社などいろいろなところに連絡をとる必要があり、労力がめちゃめちゃかかりますが、広告代理店を使うと広告代理店とのやりとりだけで済むので、広告を出すなら広告代理店へという流れができています。

つまり、一般的に広告代理店は「cmを“作っている”」「流行を“生み出している”」なんて言葉がありますが、実際は作っているわけでなく「とりまとめている」、悪い言い方をすれば「下請けに投げている」だけで、実際無くても良い職業なんです。

広告代理店が忙しい理由

んじゃなんであんなに忙しそうなの?

その理由は同業他社との差別化が難しいからです。

基本的に下請けに投げてしまっているため、大手に頼もうが小さい企業に頼もうが、頼む会社が一緒であれば大まかなクオリティは同じになり、価格についてもそこまで遜色なくなります。

だからこそ、各広告代理店はお客様に気に入られようとし、特に営業マンは「呼ばれたらすぐに駆けつける」「困っていそうな事があればお手伝いする」「印象付けるため定期的に顔を見せる」など自分の会社を指名して頂けるよう沢山の気遣いをします。

その結果、私生活を犠牲にしたお客様ファーストが続き、もちろん通常業務も行わなければいけないため、昼間はお客様対応や打ち合わせ等行い、夜に資料作成やデータ集計等の自分1人の仕事をするという流れができ、圧倒的な激務が完成いたします。

全然華やかじゃないですよね、、、、笑

広告代理店の特色

下請けに投げるだけなら、なぜ広告代理店ごと制作物に特色があるの?

各会社のクリエイターやディレクターが広告の方向性を吟味するた、各社特色が生まれます。

え、でも制作物は、全部下請けに任せるんじゃないの?

おっしゃる通りです。

しかし、各会社は制作物を作る前に、「広告の方向性」を決める作業を行うため、制作物のクオリティは一緒でもその方向性によって各社異なる特色が出てきます。

具体的にお話をすると、A社が「広告を出したい」と広告代理店にお願いをした場合、広告代理店は「どういう目的でいつどのような形で広告を出したいのか等」ヒアリングを行います。

代理店はヒアリング内容からA社の広告を出す背景を探り出し、その背景にあるA社の解決したい課題を解決できるような広告の提案をいたします

この背景の探り出しと課題解決へのアプローチが各社見解が異なり、特色となります。

具体的な仕事内容

お客様の課題を解決するために提案を行いますので、CMだけに限らず、臨機応変に様々な事を行います。

私が実際に行った課題解決のための提案(仕事内容)は下記のようになります。

  • CM :CMの内容企画・制作・放送手配・放送時間帯の調整・コンプライアンスや法務確認等、CMをやると決めてから放送するまですべて指揮します。
  • イベント:イベントの企画・準備・手配・実施・(アンケート等の集計)の一連の流れすべての指揮をとります。
  • 新聞や雑誌広告:新聞や雑誌広告の企画・制作・掲載手配等すべて指揮します。
  • SNSやネット広告関係:ネット広告の制作・媒体選択・投下量調整等掲載まですべて指揮をとります。
  • コンセプトルームや空間デザイン:コンセプトテーマ設定~施工完了まですべて指揮をとり進めます。
  • 企業ロゴやサウンド制作:サウンドイメージ考案~制作まですべて指揮をとります。
  • HP制作:HPコンセプ~開設まですべて指揮をとります
  • オリジナルテレビ番組制作:番組コンセプトの設定・放送時間帯調整・企画内容調整・収録等すべて指揮をとります。

などなど、上記のような代理店らしい事を羅列いたしましたが、この他に雑務のような仕事もこなします。

  • 宴会芸指導:「宴会で使えそうなネタ今週中にたくさん用意しておいて」と依頼がありました
  • 懇親会主催:代理店が業務に関わってなくても、「雰囲気の良いお店」の予約等手配のお手伝いをしました。
  • 送迎:「明日(休日)こことこことここに連れてって」とアッシーにもなりました
  • テレビ収録や取材立会い:クライアントがテレビに出る際に、収録現場に顔出し。収録が終わるまで何もせず収録を見ておりました。
  • ゲストのお世話:インベントやCMゲストが退屈しないよう会話相手等お世話係になる仕事もしました。
  • 市場調査:出口調査や、インターネットでのコンサル会社の費用比較調査など、なぜかクライアントの仕事を対応したこともありました
  • 業界研究や工場見学:クライアントから「うちの商品知らなきゃ告知もできないだろ」ということで、工場見学のお誘いがありました。
  • 定期的な挨拶回り:何も用事はないけど、「顔を出して忘れられないようにする」という目的で、アポなし顔出しも行ってました。

など、、、、お金にならない仕事も沢山しました。

それぞれ単発の仕事ならまだ良いのですが、同時進行案件が多く得意先も「CM作って!」という雑な依頼で、ほぼ毎日昼は社外におり夜になって会社に戻り作業という、しっかりブラックでした笑

結構忙しかったなー、、、、

 

まとめ

広告代理店は広告に関する面倒な事のまとめ役や指示役

広告代理店の種類は?

選ぶ画像

代理店の種類は大きく分けて3種類に分けられます。

  • 総合広告代理店
  • 専門広告代理店
  • ハウスエージェンシー

それぞれ解説していきましょう!

総合広告代理店

電通や博報堂、ADKなどいわゆるみんなが想像する広告代理店です。テレビ、ネット、印刷物等偏る事なく幅広く取り扱っている代理店です。

専門広告代理店

サイバーエージェント、オプトなど、何かに特化している広告代理です。

主に近年ではインターネットが主流となっており、売上ランキングで上位に組み込む会社もあります。

ハウスエージェンシー

JR東日本企画、デルフィスなど親会社の仕事分野に特化した広告代理店です。

電車内のつり革広告やサイネージ広告など親会社が持っている媒体を売りにしておりますが、総合広告代理店のような仕事をする時もあるようです。

もし広告代理店に就職を考えている場合は、それぞれの特徴を理解した上で調べましょう!

まとめ

広告代理店大きく分けて3種類あり、いっぱん的にバブリーなイメージがあるのは総合広告代理店

 

広告代理店と制作会社の違い

オーケストラ

よく混同する方がいるので、違いを簡単に説明します。

わかりやすくするため、オーケストラで例えると、代理店は指揮者で制作会社は楽器です。

指揮者から音が出ているのではなく、音を生み出しているのは楽器です。

つまり広告代理店は取りまとめや方向性の指示をするだけで、制作会社が依頼された物を作り上げていきます。

これから就職・転職を考えている方で「手を動かして制作物をひたすら作りたい」という方は制作会社を、お客さんと広告について話しながらどんな手段でどんな種類の広告を扱っていくか考えたいなら「広告代理店」にしましょう。

なお、給料の話をすると、広告代理店の方が圧倒的に高いです。やはり、下請けになると美味しい思いも出来なくなるんですね、、、

まとめ

広告代理店は指示役で、その指示を受け手を動かすのが制作会社

 

大手広告代理店と地方広告代理店(グループ会社)の違い

悩む画像

実は就活の時一番悩んだ?わからなかったのがこの部分です。

例えば、電通の場合でも、電通と電通東日本、電通北海道、電通西日本などグループ会社がありますが、何が違うのでしょうか。

名前を見れば「担当エリアが異なるんだろうな」ということは分かりますが、ネットで調べても違いがほとんど出てきません。

そんな違いを元大手代理店経験者がこっそり教えちゃいます。

グループ会社でも別会社

名前の通り担当エリア異なりますが、それ以外に給与形態や雇用形態等も異なり、親会社とは全く別な会社と思った方が良いです。

「お金欲しいから広告代理店に入りたいけど、電通はコネがないと入れないから、電通東日本にしよーっと」なんて思っているそこのあなた、入社してから後悔する可能性大です笑

具体的な違い一覧

私が感じた違いは下記の通りです。

  • 担当エリア:親会社が全国規模の案件を受注し、グループ会社は地域ごとの案件を受注致します。地方限定職のイメージに似ているかもしれません。
  • 仕事内容:親会社は大人数従業員がいるため分担制、子会社は従業員が少ないためすべてに対応する必要があります。子会社は業績が悪くても潰れないベンチャーのイメージ。
  • 給料形態:親会社の扱う金額は1案件で数千万~数十億なのに対し、子会社は数万~数百万のため、親会社の方が圧倒的に利益があり給料が高いです。初任給は変わらなくても、5年10年経つと子会社の1.5倍くらい親会社は貰ってます。
  • 労働形態:親会社は契約社員が多いイメージですね。
  • 社員人数:親会社が圧倒的に多い。子会社は少ないことが多い。
  • 営業方針:子会社の役員は親会社からの天下りになるため、親会社と似ることが多い
  • 昇進:役員は親会社の天下りのため、プロパー社員が役員になるのは努力と運が必要。

お金が欲しい方や派手に自慢したい方は親会社を狙って、真剣に地元も盛り上げたかったり小さくても提案や課題解決が好きなら地元代理店を狙いましょう

まとめ

グループ会社は同じ名前が付いていてもほぼ親会社とは関わりがない別会社と思おう

 

広告代理店はブラックでしたが、普段関われないような事にも触れられ良い経験になりました。

代理店への就職や転職は「プライベートを犠牲にしても自分への成長を望む方」にはお勧めです。(笑)

就職先・転職先選びは慎重に!

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